Story 01
納得と実感が成長を加速
関東を中心に全国123店舗を展開している Times Cafe 。2013年の創業以来順調に規模を広げて来た事業にて「5年後に200店舗拡大」という新たなチャレンジへ踏み込むにあたり、これまでの少数顧客を対象としたスタイルと独特の空間体験を如何に継承していくかが課題となりつつありました。 Hearmory では心理学の手法を用いて体験価値の棚卸を行い、技術や文化の伝承をサービスとして仕組化。更にインナーブランディングサイトの作成・活用によりスムーズなグロースを後押ししました。
Beginning
事業に躍進をもたらした「顧客と店舗の距離の近さ」と、それ故の俗人化。文化継承の道筋を模索するべく、行動分析学の観点からサービス体験の分析を開始しました。 Hearmory はまず Times Cafe の体験価値の本質を見極めるべく、従業員や顧客から絶大な支持を集める「スター従業員」の行動と人材育成プログラムを対象に分析を開始しました。
弊社アナリストと Times Cafe マネージャー数名からなる専門の分析チームが組織され、育成プログラムの分析、ビデオ分析、従業員・顧客へ対するインタビューによる徹底した「価値の棚卸し」を行い、細かなパラメータへと分割してスコア化。 Times Cafe の体験を構築する膨大な暗黙知を形式知へと落とし込む作業を行いました。
分析から、 Times Cafe 従業員の長年の経験により醸成された一種の「行動連鎖」が浮かび上がりました。顧客の求める席、視線移動、小さな仕草の観察により、顧客の求めるサービスによって大まかなタイプ分けを行い、それぞれにサービスを微妙に変化させながら、それを顧客に認識させない。という絶妙なコミュニケーションの元に「近くて遠い心地よさ」という無二の体験につながっていることが徐々に明らかとなったのです。
この様なサービスは従業員個人のコミュニケーションスキルや観察力、実践に大きく依存する部分があり、教育による伝達にも限界があります。事業拡大に伴いこうした「技術」の継承が課題となることは必然であり、200店舗拡大に伴い様々な問題の原因となることが予想されました。この点において Hearmory と Times Cafe 両者で認識を一致させ、徐々に具体的な継承方針の探索・設計へと移り進みます。
Design
熟練の接客を再現可能な形で定義・項目化するために、チームはまず4回のワークショップを実施。その結果、細かな段階に分けたコーチングとインナーブランディングによって短期・中期の2線で浸透を図る方針が定まりました。コーチングプログラムの設計において鍵となったのは、認知心理学を元とした「納得」と「実感」を醸成するアプローチです。
職人芸の様な技術の継承には、実践とフィードバックの繰り返しによる長期間にわたる負荷の高い訓練が不可欠です。これらを目標期間内で実現するためには「習得」の構造に着目した認知心理学に基づく段階的アプローチが最適と考えられました。
高度な技能の習得には主体的努力と応用力が求められます。その発火材となる「納得」と、腹落ちを加速させる「実感」が、単なる習得を「プロへの成熟」へと変えていきます。こうした認知心理学の方程式から Hearmory が設計したフレームワークをベースに、教育プログラムとサービスの設計が行われていきます。
インナーブランディングサイトでは、顧客インタビューや全国のスター従業員の言葉により Times Cafe が提供してきたサービスの価値をわかりやすく伝え、マインドの浸透を図ります。
1年後、顧客のフィードバックは「大変良い」が15%増加すると言う、予想を超えるサービス体験の改善を実現しました。また「 Times Cafe で働くことに誇りを感じている」と評価する従業員の割合が17%増となる85%を達成し、それは定着率の約10%改善と言う数字にも表れています。 Times Cafe の目指す「5年後200店舗拡大」への道筋が確かなものとなりました。
Information
Project
- Client :
- Times Cafe
- Web :
- https://xxxxxxyyzzzzz.jp
- Category :
- Service Design
Credit
- Producer :
- 後藤 義昭
- Project Manager :
- 柳井 道治
- Designer :
- 近藤 美里
- UX Designer :
- 佐々木 晴美
- Service Analyst :
- 恩田 邦弘
- Coder :
- 田中 勝